事業承継支援

事業承継支援

建設業事業承継制度について

悩んでいませんか?

今まで永年培った事業を誰かに引継ぎたい。

 

個人事業から法人を立ち上げ、継続的に展開したい。

 

他の法人と合併して積極的に事業を展開したい。

●はじめに

2020年秋、建設業法17条の2、3により、「建設業事業承継制度」が新設されました。大手や中堅の建設業者なら、建設業許可に必要な要件を備えた人材も多く、担当の変更手続きをするだけで事業を継続していけます。
ところが中小や零細企業は困難な場合が多く、個人事業なら不可能です。加齢や健康問題で先行きに不安を感じたり、廃業せざるを得ないことになります。当人が納得していればそれで良いことでしょうが、普通はなんとか継続させたい、せめて誰かに引継いでほしいと願うものだと思います。そしてこの制度は事業譲受人、特に新規開業をする人にとって大きなメリットがあります。折角培った事業を無暗に廃業するのは社会的損失とも言えます。

 

参考までに令和4年度の数字ですが、大阪府の建設業の廃業者1700件、新規許可が2000件でした。逆の場合もあります。つまり今の個人事業を法人にして継続発展させたい、今も法人だが別の法人と合併して新しい法人の元、大々的に事業を行いたい、等といった場合にもこの新制度にはメリットがあります。

 

●制度の概要と注意

建設業事業承継とは、正確に言うと譲渡人の建設業法上の地位を承継するということです。承継する側(譲受人)はその地位を引継ぐ資格がなければなりません。たとえばスーパーマーケット業者が「うちも建設業をやってみよう。知り合いの建設業者が止めたがっているので、それを引継ごう」といってもこのままでは許可されません。そのスーパーマーケットに建設業を営む要件が備わっていなければなりません。そのため、譲受人は事前に知事か大臣の認可が必要です。認可の審査は非常に厳しく、進行のタイミングには注意が必要です。

 

なお、勘違いしやすいことですが、譲受人も建設業許可、例えば建築一式の許可があるが、電気工事の許可がないため譲渡人が電気工事の許可を持っているのでこれは都合良いと思うのは間違いです。電気工事士などの資格者がまず在籍していなければなりません。

 

ところで肝心の制度の内容はどうでしょうか。

 

一番の特徴は、承継する業者が無許可の場合、今までなら新規許可申請をしなければならず申請料が知事許可なら9万円必要だったのが不要となります。個人事業の法人成りを例にとると、以前はまず個人事業の廃業届を出すこと、そして新法人の登記をして建設業許可申請をすることになり許可が出るまで1カ月以上間が空いてしまうし、申請料も9万円払う必要がありました。これが、先に法人登記を済ませて新会社の認可を得ることにより、あらかじめ決めておいた譲渡の日に一瞬に入れ替わります。場合によっては、今まで業種を追加する場合、申請料だけで5万円必要でしたが、譲受人の要件さえ揃えば譲渡人の持っていた業種を言わば只で引き継ぐことになります。その他、詳細な規定があります。かなり複雑で、申請に失敗するとその内容によっては、5年間申請できなくなることがあります。まずはご相談ください。

 

●具体的なパターン

一口に事業承継といっても色んなパターンが考えられます。

譲渡

有償又は無償で地位の全てを相手に譲り渡す。
個人から別の個人又は法人に、法人から別の法人又は個人に譲渡できます。例えば、個人の法人成りもこの類型です。そして譲渡は地位全てでなければいけません。なお、新法人は500万円以上の資本金が必要です。

合併

法人同士でしかありません。個人同士の合併というのは考えられません。吸収合併として譲受人が存続する場合、譲渡人は消滅します。新設合併として、新たな別会社を設立してそこに承継する場合もあります。

分割

法人で可能なことですが、譲渡人が建設業の部門全部を譲渡目的で切り離します。登記によって有効になります。そして切り離された部門を承継します。譲渡人が複数の建設業種の許可を持っていても、一部の業種だけを分割することはできません。

相続

個人事業主が死亡した場合、30日以内なら相続人に資格があればの話ですが、死亡の時から元の許可が継続して有効となります。これまでは、事業主が死亡した時点で許可は無効になりました。

 

●まとめと注意点

建設業の事業承継は譲受人の要件の事前認可が条件で、一般のM&Aとは異なるのでご注意ください。他方、合併や分割、譲渡で有償を伴う場合、株式などの移動があるならご注意願います。税務なども含めて専門家に相談しておくべきでしょう。また、譲渡人の現在の許可期限が30日を切る場合は時間的に間に合いません。

 

当法人としては、建設業の承継に必要な手続きについては一式対応させて頂きます。まずはご相談ください。